日本国際法律家協会は人権,民主主義,平和,環境などを通して法律家の国際的な連帯を求める活動を行なっています。
 


声明・資料

◇フィリピンにおける法律家、社会活動家
宗教関係者に対する暴力に反対する声明◇


フィリピンでは、近年、法律家、社会活動家、宗教関係者に対する暗殺、脅迫が相次いでいる。今年6月までに4名の弁護士が殺害され、9月までにさらに3名の弁護士が殺害された。また、旧ユーゴスラビアに関する国際刑事裁判所の非常勤判事を務めた著名な民主的弁護士であるロメオ・カプロン氏も何者かに襲撃される被害に遭っている。このような事件の背景には、フィリピン国軍の関与も指摘されている。
言うまでもなく、市民的及び政治的権利に関する国際規約は、生命に対する固有の権利を保障し、私生活、住居、家族に対して不法に干渉されない権利を保障する。思想・信条の自由があり、干渉されることなく意見を持つ自由があり、表現の自由も当然享受できる。
 貧困にあえぐ民衆を支援する法律家、社会活動家、宗教関係者が、その職業活動のゆえに生命を侵害され、あるいは生命の危険に晒されるのは、このような基本的な自由と権利が保障されていないことを意味する。民衆を支援する者が暴力的に攻撃されれば、多くの民衆の権利救済はいっそう困難になる。
 このような法律家、社会活動家、宗教関係者に対する暴力的攻撃を放置しないで、速やかに防止ないし処罰の措置をとることは、国民に責任をもつ政府の重大な責務である。このことは、国際連合犯罪防止犯罪者処遇会議(1990年)で確認された「法律家の役割に関する基本原則」に照らして明らかである。
当協会は、世界の民主的法律家と国際連帯を深め、世界平和の実現と世界の民衆の人権保障をはかる日本の民主的法律家として、フィリピン政府に対して次の要請を行う。
 1 すべての法律家、社会活動家、宗教関係者に対する暴力的攻撃について、実態を調査し、公表すること
 2 すべての法律家、社会活動家、宗教活動家に対する暴力的攻撃の実行者を処罰するとともに、これに荷担した中央政府・地方政府関係者、軍関係者の処罰を行うこと
 3 暴力的攻撃にさらされその脅迫を受けているすべての法律家、社会活動家、宗
教関係者の被害を防止するため、効果的な措置を講じること
当協会は、フィリピンにおける法律家、社会活動家、宗教関係者の状況について今後も継続して関心を払い、日本政府に対しても、この問題に関連してODAプロジェクトを見直すことを求めるとともに、多くの人々がこの問題に関心を寄せるように呼びかける。

2005年9月17日
日本国際法律家協会 会長 江藤价泰 /事務局長 新倉 修




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