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朝鮮半島における砲撃問題について
 
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 報道によれば、2010年11月23日、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は、大韓民国(ROK)の延坪島(ヨンビョンドYeonpyeng Island)に対して砲撃を加え、民間人2名、大韓民国兵士2名が死亡し、多数の負傷者と民間の住居が破壊された。われわれは、朝鮮半島における平和的な再統一を支持する立場から、今回の事態が不測の事変を引き起こし、無辜の民がさらに死傷することを深く憂慮している。
  仮に軍事的境界について意見の違いがあり、韓国軍による軍事演習('Hogook' military exercise)が行われて、挑発的な行動があったとしても、それを口実として実力行使することは、DPRK自身が認める国際連合憲章2条の武力行使および武力による威嚇の禁止に反するものであって、到底容認することはできない。文民たる住民に対する無差別的な攻撃は、たとえ意図していなかったとしても、1949年ジュネーブ条約の第一追加議定書(1977年)にも反するものであることは、明らかである。
  われわれは、このような事態が平和に対する脅威であって、対立と不信をもたらすものであることに鑑みて、国際連合安全保障理事会が速やかに事実を明らかにして、平和的な解決を導く主導的な役割を果たすことを期待したい。また、黄海上で、米海軍空母「ジョージ・ワシントン」が参加して、韓米の合同演習が開始されるが、このような示威行動は、緊張した関係を解きほぐし朝鮮半島の平和的統一をめざす方向から逸脱していると言わざるを得ない。
  われわれは、世界各地におけるこれまでの紛争の歴史を踏まえて、大砲や戦車ではなく、銃ではなく、花や鳥やいのちの尊厳を守ろうとする民衆の意志が紛争の拡大を防ぎ、平和を実現する確実な方法としてとられてきた英知に学ばなければならないと考える。「力による平和」という戦略には未来はなく、平和的方法で平和への意志をまとめ上げ、「寛容を実行し、かつ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和および安全を維持するためにわれらの力を合わせ」るとした国際連合憲章の精神に立ち返らなければならない。

2010年11月26日
日本国際法律家協会理事会
会長 新倉 修
事務局長 笹本 潤
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